三線をはじめる前に 三線初心者向け情報

三線をはじめる前にインターネットで情報を調べると、わかるようでわからない点がいくつか出てきます。三線の成り立ちや型についての説明、三線入門セットの話などが出てきますが、皆さんまず気になるのが「果たして自分に弾けるんだろうか?続けられるんだろうか?」という点ではないでしょうか。

 

この点に関しては、どのサイトにも記載されておらず、三線を弾き始めるのになかなか腰が重くなる点ではないかと思います。私は三線を弾き始めて8年ほど経ちますが、いまだに飽きずに続いています。むしろ年々情熱は高まっています。

 

しかしながら、飽きずに続いたのには理由があります。その理由がなければ、途中で断念していたかもしれません。事実、最初の1年のなかの半年ぐらいは三線を全く触っていなかった期間もあります.....。そのあたりを初心者の特権として書いておこうと思います。


三線はそもそも簡単に弾けるのか?

表題の通り、まずは自分に弾けるのか?という問題について書きます。これは2パターンに分かれます。

  1. なんらかの弦楽器を弾いていた人(ギターなど)
  2. 楽器未経験者ではじめて弾こうとする人

1.の人はあえて断言しますが、最近のポップソングで、自己満足程度の音を自己流の弾き方で良いならすぐに弾けると思います。

 

特にギター経験者は極めてすんなりと自己流、ギター風に弾くことができるはずです。島唄や涙そうそうなどの曲はフレーズを覚える時間は必要なものの、楽譜を見ながら10分ほどで一曲弾けるようになりました。ギターのように和音が基本的になく、単音での演奏なので簡単です。


auのCMでヒットしている俳優の桐谷健太さんが歌う"海の声"は難易度でいくと極簡単な部類に入ります。楽器未経験者でも少し練習すれば1〜2週間で弾ける程度です。ギター経験者なら10分程度の練習で大丈夫。

ですが、三線一本で弾き語りが成り立つアレンジではない(主にピアノとギターのコードが支えてます)ので、三線一本で全曲歌うならアレンジが必要でしょう。そのまま弾くと音がスカスカになります。

 

話が逸れましたが、三線はフレットがないものの、左右のポジション移動がほとんどなく、指が覚えてしまえばすんなりと押さえれてしまいます。

 

書き方が難しいのですが、簡単に弾けるか?と問われればYESなんです。ただ、本当の三線の弾き方で簡単に弾けるかと問われれば断じてNOです。

そこは他の楽器と同じく、実に奥が深い。我流で弾けると本当に弾けるとは全然違います

 

ましてや、三線の教師や師範レベルの音を奏でるのは当然ですが相当大変です。フレーズは至極簡単なのに不思議なものです。簡単だからこそ難しい。弾けば弾くほど奥の深さを実感しますが、三線はそもそも唄三線と言われるように、唄がメインで三線はあくまで伴奏楽器。唄に情感をもたせつつ、三線も情感を持った音を弾くとなると相当至難の技です。一朝一夕ではできません。また、琉球古典音楽や沖縄民謡は難易度が高いものも多く、早々簡単には弾き熟せません。

BEGIN 三線の花 比較的簡単なポップス系 

習得が困難な琉球古典音楽


舞踊の地謡の古典音楽


次に一番多いであろうパターン2の方ですが、私の妻がこれにあたります。今まで全く弦楽器に興味を示さなかったのですが、2〜3日で音は汚いものの、涙そうそうのイントロからAメロまでは弾けるようになっていました。言葉で表現するのであれば、アコースティックギターやエレキギター、あるいはピアノなどの他の楽器に比べると、音として聞けるレベルに達するのは早いです。ただし、楽器が続くかどうかは、ある程度弾けるようになってからの満足感がどれだけあるか、個人差があります。他の楽器が続かなかった人は、三線も同じような結果になるのかもしれません....。ギターよりは断然楽な楽器とは言えるでしょう。

 

と、ここまで書いて矛盾することにもなりますが、三線は弾けば弾くほど奥の深い楽器だと感じます。曲を一曲通しで弾くことはさほど難しくはないのですが、これを歌いながら弾いたり、本来の三線の音を奏でるのは別次元です。同じように弾いても、うまい人は音の表情が全然違います。そもそもの三線の質もあるのでしょうが、やはり名人の音は次元が違う。これは他の楽器も共通して言えることですね。


そもそも三線の音楽は好きですか?

おすすめ三線CD 美しき沖縄音楽、この一枚で
おすすめ三線CD 美しき沖縄音楽、この一枚で

私が思うに、一番大事なことは三線が弾けるかどうかではなく、そもそも三線の楽曲、沖縄民謡や琉球古典音楽が好きかどうかが大事なポイントです。私がそうだったんですが、島唄や涙そうそう、海の声などBEGINの楽曲が好きだったり、それが三線の入り口だったりするのですが、これが実はこの程度だと意外にあっさり弾けてしまいます。数曲弾けるようになったけど、さて次にどうしよう、と。

 

私の場合、三線弾きながら歌いたいのではなく、ただ三線が弾きたいだけで始めました。その上で上記の楽曲を弾き始めたら、一週間もしたら弾く曲がなくなってしまいました......。あとは馴染みのない沖縄民謡が残るばかり。。


三線に限らず他の楽器にも言えることですが、三線を買って数週間でお蔵入りする方に共通して、そもそも弾きたい曲がそんなになかった、なんて話がよくあります。個人的な経験ですが、弾く曲がなくなって数ヶ月の間、三線が置物に変わりました。その後にたまたま仕事の関係で沖縄(宮古島)に行く機会が数度あり、そこで連れて行かれた沖縄民謡居酒屋で沖縄民謡にはまりました。沖縄民謡にはまってからは、家に帰って三線に没頭する日々。今では民謡よりも琉球古典音楽にはまっています。古典は実に奥が深く、楽しい!

長年連れ添ったギターに変わる楽器として毎日弾いています。

 

さて。沖縄の音楽、好きですか?


楽器や道具は大切に扱いましょう

三線のバチ袋
三線のバチ袋

一流のスポーツ選手は自身が使う道具を大事にします。イチローがバットやグラブを入念に手入れし、丁重に扱うことは有名ですよね。

 

楽器も、一流プレーヤーほど楽器に対して敬意を払っているように思えます。下手な人ほど雑に扱っていたり。

 

三線教室に通う際など、移動が伴う時には大事な三線やバチなど、付属品はできるだけ専用の袋などを用意して保護するようにしましょう。

 

三線袋、三線のバチ袋、天キャップ(三線の天をカバーするもの)、教則本の袋など、小物もカバーすると良いですね。

 

これからも長く付き合っていく大事な相棒達ですから、丁重に扱いましょうね。