銘苅三味線店に訪問してきました 2


2015年7月30日、銘苅三味線店に二回目の訪問をしてきました!

さすがに二回目になると、沖縄のややトリッキーな道(というよりカーナビが古いだけか)にも慣れてきますね。

 

今回は、一回目の訪問でお願いしたバチを取りに伺いました。いつできるかわからない状況でしたが、みなみ三線店の枝川さんがアシストしてくれたおかげで、訪問時にはしっかりできあがっていました!

 

材質は詳しく再確認していませんが、銘苅先生は確か防弾ガラス?って言ってました。本当でしょうか??

サイズは7.5cm。ものすごく手にフィットする最高のバチです。

ただ、7.5cmだと銘苅春政シールがきれいに貼れず、苗字だけ残して切っちゃおう、とのことに(笑)。

 

下手したら偽物と言われかねませんが、先生が切っちゃおうと言ったので切ることになりました。おかげさまで演奏の邪魔にならず、ベストな位置に収まってます。バチの詳細はこちらにも書いてます。


はじめて見た南風原真壁型と一作の字

今回、銘苅先生のところへお邪魔し、非常に貴重なものを見せていただきました。それは、「南風原真壁型」。当然初めて聞く型です。


これは、先生が仲本三線店で修行されていた頃、師匠から聞いた型のようです。その物自体は先生も見たことがなく、南風原真壁型がある、という話を聞かされていたとのこと。


図面があるわけでもないのであくまで想像の型ではあるようですが、読んで字のごとく、南風原真壁型なので、頭(天)が南風原型で、下(鳩胸)が真壁型になっているとのことです。


この三線はとにかく美しかった。美しいの一言に尽きます。また、所有者の方が羨ましくてたまりませんが、南風原真壁型の下に記載された一作の文字。これは、銘苅先生がその型ではじめて作った一挺目の三線に刻まれる文字なのです。


羨ましい。こんなに貴重な三線はなかなかお目にかかることができません。銘苅先生がまだ作られたことのない型もあるので運が良ければ一作の文字が入った三線を手にいれることも夢ではないかも?


ただ、開鐘の写しなどは基本的に手間暇かかるので注文を受けていないとのこと。また、図面があり、モデルになる三線があればそれに似せようとするため、銘苅先生の本来の良さ、味は失われてしまうのかもしれません。


一回目の訪問の際にも仰っていましたが、写しとは似せることであって、似せるとは本物になれないということ。うーん、確かに。

 

南風原真壁型は南風原型と真壁型の合体なので基本7型のなかで収まり銘苅先生の特徴は存分に見られるのですが、開鐘の写しではちょっと異なるんでしょうね。

 

一作の文字は拝みたいものの、やはり銘苅先生の真髄を経験するなら与那城型なんでしょうか。

 

また、この南風原真壁型の素晴らしいのは棹だけにあらずで、その塗りも素人でわかるぐらい美しい塗りでした。銘苅先生の口から塗りの話になると頻繁に出る"塗りは比屋根"とは、おそらく比屋根良章氏のことかと思いますが、ものすごく上品な塗り具合でした。特に磨きが素晴らしいとのこと。


銘苅春政氏の贋作の見分け方

銘苅春政氏
2015年7月30日 江戸与那城型に名入れをお願いした

前回の訪問時に贋作についての話を聞きながらもシールの写真を撮るのを忘れたため、今回は先生にお願いして撮ろうと思いました。が、結局とりませんでした。


その理由は、なんと贋作は使用フォントが本物と全く同じだと判明。私も見ましたが、見分けがつきません。両方を重ね合わせると、やや贋物のほうがシールが大きいだけで、印字されているものは酷似しています。


ただ、ここ最近もとある三線屋さんが銘苅先生の作と聞いて手に入れた棹を持って名入れをお願いしにきたようですが、銘苅先生のものじゃなかったようで名入れしなかったそうです。見る人が見ればわかるのですが、ネットの写真ではわからないとのこと。


特に古い銘苅先生作のものは名入れもシールもないため、その判別はなんとも早難しいものです。ご本人に診てもらうかお弟子さんに見てもらえればわかるのですが、買う前ではその方法も難しい。なので、オークションなどはくれぐれも気をつけましょう。


最後に

今回、銘苅先生に三線のみならず、人生の薫陶をいろいろと受けました。そのなかでも一番心に残ったのが"ちむぬび"という言葉。

沖縄の言葉で、ちむ = 心、ぬび = 伸びるの意で、足すと心が伸びる。直訳すると、寛容な、という意味になります。寛容であれ、という話をいろんな例を交えてうかがいました。江戸与那城型の名入れのタイミングで銘苅先生に無理を言って、三線の心(シン)に"ちむぬび"と書いて頂きました。


心(シン)にちむぬびの字をいれると、心(こころ)にちむぬびを刻む気がして、なんとかして書いてもらいたかったんです。銘苅先生は快く書いてくれました。よくよく考えると、これはもしかして外国人が"侍"のTシャツを着てる感覚と同じなのかも?と思いつつも、大事な大事な一本になりました。