三線の有名な製作者って誰?筆頭は銘苅春政氏


三線を調べるようになり、興味が出てくると、さて誰が製作者で著名、有名なんだろうか?と気になってきます。二本目の三線、あるいは高額の三線に手を出そうと思う方ならなおさら気になるでしょう。その一つに、2012年に伝統工芸品に指定された際、工芸士に認定された7名の方がまずは著名な製作者と言えるでしょう。

 

なかでも、頭一つ以上抜きん出ているのは銘苅春政氏でしょうか。銘苅春政氏の作る与那城型は完成系と呼ばれるほど美しく、現在の三線職人の方々も銘苅氏を師事し、その技をぬすもうとする方は多くいらっしゃいます。銘苅氏の棹を見ると、三線職人や三線弾きの人は一発で「銘苅先生の棹だね」と言い当てます。それほど群を抜いて美しいと言われています。

 

さて、三線は2012年に、沖縄県が指定する伝統工芸品の26番目としてようやく指定されました。今まで指定されてなかったのがむしろ不思議ではあります。ちなみにこの指定は経済産業省が指定する国の伝統工芸品ではなく、沖縄県独自の指定のものです。詳しくは琉球新報にそのニュースが掲載されてましたので、そちらをご覧ください。

 

2012年10月12日 琉球新報

三線伝統工芸品へ 技法継ぎ芸能文化育もう

 

この伝統工芸品指定の際に、以下の7名の方が伝統工芸士に認定されています。

 

銘苅春政氏

新崎松雄氏

照屋勝武氏

仲嶺盛文氏

渡慶次道政氏

親泊宋康氏(故)

又吉真也氏 

 

とはいえ、例えば前述の銘苅春政氏は現在あまりに棹の製作依頼が多い(全国から原木持参で氏の元を訪れる人が後を絶たない)こともあり、棹以外の行程(塗り、胴、部当てなど)はされていません。もし銘苅氏の棹で三線が欲しい方は、お弟子さんにあたるみなみ三線店さんなどに問い合わせてみてください。

 

たまにヤフオクなどに出所不明で出たりしていますが、棹以外の部分がどのように組み上げられてるかわかりませんし、購入後に何かあっても保証されないため、個人的にはおすすめできません。棹自体が捻れている、なんてこともあります。さらに、偽物も多く出回っているようです。ここに書いてある間も、ヤフオクに怪しい一本が見られました。

偽物かどうかの見極めはネットではわからない(写真の角度などで誤魔化せる)ですが、一つ知っておいたほうが良い情報として、銘苅先生が名入れ、シール貼りをしたのはここ10年ほどのこと、とのことでした。先生ご自身が偽物を確認して、本物の証明として書き始めたとのこと。

ヤフオクのほうが仮に安かったとしても、出所が明確なお弟子さんから買うほうが何かと安心です。

 

私の三線は棹は銘苅先生の手によって作られていますが、塗り以降はみなみ三線店で仕上げられています。よって、棹は銘苅先生作なものの、音の大部分を占める要素はみなみ三線店によって作られています。私はこの三線の音が非常に好きで、本当に満足しています。よくわからない時はヤフオクに何度も食指を動かしそうになりましたが、いろいろと情報を知り、理解していくうちに手を出さなくてよかったとホッとしました。個人的に良い勉強になったのでもういいですが、ヤフオクには何度か泣かされました。残念ながら三線転売の怪しい業者もいますので、お気をつけ下さい。

 

銘苅氏以外の方の三線はそれぞれの工房か、または完成品であれば沖縄県三線製作事業共同組合で販売されています。


おすすめは「みなみ三線店」と「照屋林助三線店」

みなみ三線店 沖縄県立美術館・博物館館長賞受賞 三線
みなみ三線店 沖縄県立美術館・博物館館長賞受賞 三線

銘苅氏のみならず、他の製作者の方でも塗りや胴は外の製作者に出すというケースもあるようです。よって、一から十まで行う方もいれば、分業されるケースもあるため、一概に著名な製作者は、と書くのは乱暴な行為ではあります。

 

が、完成品のなかから間違いない一挺を探したい場合は沖縄県三線製作事業共同組合のショップで探すのが手っ取り早いと思います。伝統工芸士の7名中6名がここに加盟していることからも、確かなものは置いているはず。

 

オーダーメイドで製作したい場合は、店主の方の三線に対するこだわりをチェックしたり、口コミを参考に探すしかありません。

 

私の個人的な経験から好きな三線職人さんを挙げるとすれば、みなみ三線店の枝川 勝氏照屋林助三線店の照屋林次郎氏のお二人がおすすめです。このお二人の三線は対照的な感じがします。枝川さんは元々銘苅春政氏に師事していたこともあってか、正統派の美しさを感じます。優美です。特に沖縄県立美術館•博物館館長賞を受賞した湧川開鐘の写しが醸し出すオーラは最高級です。お金があったら即買いたい(150万円)。

 

一方、照屋林次郎さんの三線は男性的な風貌と言いますか、猛々しいオーラがあります。お店にあった知念大工型を弾かせてもらいましたが、棹の存在感、握り心地は最高に心地よく、朴訥とした雰囲気のなかに美しさがある。そんな表現がよく似合う三線でした。ちなみに、よなは徹先生が使用されている三線は照屋林次郎さん作の与那城型のようです。

 

私は現在みなみ三線店の枝川さんに一本オーダーメイドで三線を作ってもらっていますが、枝川さんはその製作過程をブログで共有しており、発注側も安心してオーダーできます。実はこれ、沖縄県外からオーダーすると結構大事なんですよね。頻繁に沖縄に行けるわけでもないため、コミュニケーションが採れないとかなり不安になります。

 



伝統工芸士、著名製作者の三線の音色



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